【書評】『サイコロジー・オブ・マネー』感想 お金の知識より大切な「心の習慣」

「お金持ちになる方法」ではなく、「お金とどう向き合うか」を教えてくれる一冊。
今回読んだモーガン・ハウセル著『サイコロジー・オブ・マネー』は、これまでに読んだどんなマネー本とも違い、“人間の感情”に深く迫る内容でした。
投資やお金に関する本はたくさんありますが、ここまで「心理」に焦点を当てた本は珍しく、読んでいて何度もハッとさせられました。
今回は全20章の中から、特に心に残った3つの章についてご紹介します。
第1章:おかしな人は誰もいない
どんなに勉強しても、どんなに想像力を働かせても、実際にその出来事を体験した人と同じ恐怖や不安を感じることはできない。
この言葉は非常に重みがありました。
私たちはそれぞれ違った経験を通して、「お金」や「リスク」についての考え方を形成しています。
リーマンショックやバブル崩壊などを実体験した人と、あとから本で学んだ人とでは、判断基準がまるで違うのです。
つまり、人はみな異なるレンズで世界を見ており、それぞれの“人生の体験”が投資やお金に対する行動を決めているということ。
他人の判断をすぐに否定せず、「その人にはその人なりの背景がある」と受け止める大切さを感じました。
あなたのお金に関する個人的な経験は、世界で起こった出来事の0.00000001%程度しか相当しないだろうという言葉も
第4章:複利の魔法
ウォーレン・バフェットの純資産の95%以上は65歳以降に得られたものだというエピソードが紹介されていました。
これほどの成功は、彼が「特別に賢かったから」ではなく、「とにかく長く続けたから」こそ成し得た結果だと著者は語ります。
複利は“時間”と“継続”が揃って初めて威力を発揮します。
でも現実には、私たちはどうしても短期的に利益を出したくなるもの。
目先の変動に動揺し、投資をやめたくなる気持ちも痛いほど分かります。
それでも、この章を読んで強く思いました。
いかに早く始め、どんな局面でもやめずに続けること。
焦らず、退場せず、複利の力を信じることが一番大切だと。
暴落は必ず起きるものです。
不安になるたび「第4章 複利の魔法」を読み返したいです。
第7章:自由
第7章で語られていたのは、「最高の豊かさ」とは何かという問い。
その中でも特に印象に残ったのがこちらの言葉です。
人間に幸福感をもたらす最も信頼性の高い要因は、人生を自分でコントロールしているという感覚があること。
どんなに好きな仕事でも、それが他人の指示で動かされているものであれば、だんだんやる気を失ってしまう。
私たちは“自分の意思で選んでいる”という感覚=主導権を強く求めている生き物なのだと気づかされました。
だからこそ、「どんなに高い給料をもらうこと」よりも、
「好きな時に、好きな人と、好きなことをできる自由」を持つことの方が、人生の幸福度を高めてくれるのだと思います。
まとめ
今回の記事では、『サイコロジー・オブ・マネー』の中から、特に心に残った3つの章をご紹介しました。
お金や投資に関する情報は世の中にあふれていますが、本書はそのどれとも違い、“お金を通して人生を見つめ直す”ことができる貴重な一冊だと感じました。
- お金とは何か?
- 自由とは何か?
- 幸せとはどこにあるのか?
そんな深い問いに静かに向き合わせてくれる、すばらしい本でした。
今回は一部のみの紹介でしたが、全20章どこを読んでも新たな発見があります。
また別の機会に、他の章についてもご紹介していければと思います。
と、まあそんなところで。
これからも、学びになった本をコツコツレポートしていきます!
それじゃ、また〜!